「消費税減税すれば物価高になる」は流石に国民をバカにしすぎでは……

ニュースで「自民・小野寺政調会長“消費減税すれば物価高に”」で、**「消費税減税をすれば、逆に物価高になるから!現在の物価高の原因は円安だから、むしろ円安をなんとかしよう!」**と言うとんでも論説をおっしゃる方がいっらしゃいましたので、思わずコラムにしました。

流石にこれは日本国民を馬鹿にし過ぎでしょう。

前々からそうですが、政府は意図的に経済音痴を利用して(そのために、経済の勉強を義務教育に入れていないのでしょうが)、経済の短期モデルと長期モデルを混同したり、マクロ経済とミクロ経済を混同したりするロジックが目立ちますが、今回のこれは余りにも酷いですね。
(相手がただの無知ならここまで怒りませんが、絶対に頭の良い彼らがわかっていない訳が無いですからね。)
問題は生存権だ

そもそも、今回の消費税減税問題がピックアップされ始めたのは、「私達の生存権が脅かされる貧困レベル」になったからです。
下のエンゲル係数のグラフをご覧ください。(エンゲル係数の詳細についてはリンク参照)
チャートを読み込み中...

このチャートを見れば、私達の稼いだお金の1/3は食費に消えていることがわかります。
社会保険料や年金と言った隠れた税金を入れた、日本国民の 実質負担率は約50% に達する水準まで来ています。 (五公五民問題についてはこちら)
つまり働いても働いても、稼ぎのほとんど(7割~8割)は税金と食費に消えていることになります。
そりゃぁ、みんな怒ります
消費税減税で円安になる?

さて、今回のケースでは怒らなければならないポイントが他にもあります。1つは、「消費税減税→円安」と言うロジックの大嘘ですね。
「国際的な信用が落ちれば円安になる」これは確かに経済ロジックの1つとしてあり得る話ですが、それは「日本が破産する確立(デフォルト率)が高まるため円安になる」というロジック下で成り足ります。

日本国債所有者の90%が日本人なのに、どうやって破産するんだ!?
同じ体の右手から左手に借金しているようなもんなのに!?
あまりにも国民を馬鹿にしているとしか言いようが無いですね……
円安が問題?だから、減税でしょう

今回のケースでは、他にも怒るポイントがあります。
増税すれば円安(減税すれば円高)になる、と言う当たり前のポイントを無視しているからです。
「円安が問題だ!」と叫ぶことは、自ら「税金が問題だ!」と叫んでいるのと余り変わらないのですが、このポイントは無視してもいいのでしょうか?

円安とは「日本の価値が低い」ことを示しています。
では何故、円安になるのでしょうか?
それは高い税金で内需が抑えられ、日本市場に魅力が無いからです。
消費税が減税されれば内需(国内消費)が活性化され、日本に投資金が流入します。
すると自然と円高になります。
こんな当たり前の話も、私達日本国民が分からないと思っているなら、やっぱり日本人を馬鹿にし過ぎですね。